俺の・・・目の前に・・が眠っている
森林公園でデートするのは・・もう何度目だろう
高校生活も、あと一年を切った
俺たちは付き合っているわけじゃ無いけど・・・
お互いに・・・、時間があればこうして一緒に過ごしている

まだ6月だというのに・・
今日は・・・梅雨の中休みで・・日差しが強くて暑い
でも、日陰に入ると・・・風が爽やかに頬をなでる
こんなふうに・・・、芝生で一緒に昼寝をするのが心地良い

「・・ん・・・んん」

かすかな寝息を、規則正しく繰り返している・・・
時折・・・、口元から漏れる僅かな声が・・・
俺の心を・・・捉えて離さない・・

「・・・け・・い・・」

・・・え?
今・・・、聞こえてきたのは・・・俺の名前?
いつも「葉月君」・・・俺をそう呼ぶおまえ
でも、夢の中で・・・俺を名前で呼んでいるのか?

「おい・・・、起きてるのか?」
は・・俺の声に返事をせずに・・こちらに身体を向けると
おもむろに・・・腕を伸ばして・・俺に抱きついてきた

「・・・・・珪・・くん」

いきなり抱き付かれた俺は・・・どうして良いかも解からずに固まった
でも・・・、ちょっと待て
俺の名前を呼んで・・・、こうして抱きついてくるって事は・・
「何か」を期待しているって・・・そう言うこと・・なのか?

俺は・・・相変わらず目を閉じたままで
・・・俺に抱きついているの唇に・・そっと指を触れた
艶やかな・・・その唇は
控えめな・・・口紅で彩られ
俺を・・・誘う

心臓の音が・・、聞かれてしまいそうなほど・・・鼓動が響く
そして・・・俺は・・、意を決して・・・、そっと唇を寄せた
僅かな・・・時間、重なっただけの・・・口付け
俺は・・・愛しさが溢れ・・・
思わず・・力をこめて・・・の身体を抱きしめた


「・・ん?え!?わぁ!!」

急にの大きな声がして
柔らかな身体が・・・俺の腕の中から離れてゆく


「は、葉月くん!?そんないきなり、あわわわ・・・・!」
「え・・・・・?」
「だ、だ、だって、お昼寝してて抱きつかれたら・・・驚くよ、あービックリ!」

は、みるみるうちに赤くなってゆく

「おまえ・・・、もしかして、・・・寝てたのか?」
「え・・?うん、寝てたよ、ちょっと夢まで見ちゃった」

はそう言って、更に頬を染めた

「・・・どんな夢?」
「な、内緒!言わない絶対内緒!」

「ふ〜ん・・・、俺も夢を見てた・・・」
「え・・そうなの?」
「ああ・・・、いい夢・・だった」


俺は、身体を起こし・・・
が持ってきた・・水筒に手を伸ばした
キンと冷えた麦茶が・・・俺の渇いた喉を潤してゆく

「おまえも・・・飲むか?」
「うん・・ありがと」

俺が飲んだ・・水筒のコップをそのまま渡すと
は・・・、ほんの少し躊躇して・・・
でも、・・・何も言わずに・・・俺が飲んだのと同じ位置で麦茶を飲んだ


「俺と・・・間接キスだな」
「わっ!・・・ばれた」
「はは・・・、別に構わないだろ・・・」

は・・・これ以上ないくらい・・顔を赤くしている


「昼寝・・・、もう少しするか?」
「うん、今日は風が気持ちいいね」

はそう言って・・・また俺の隣に横になった
微妙な距離を保ったまま・・・俺たちは目を閉じる

芝の上の誘惑・・・
俺が負けたのは・・・には・・内緒

END

「芝の上の誘惑」
この作品の原案及びタイトルの著作権は
春日由比様に帰属しています


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